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着付け教室の生徒さんからこんな相談を受けた。
「この着物、可愛いと思うんですけど、とあるご年配の方から『若いんだからもっと明るい色のものを着なさい』と言われてしまって…今の私が着たらおかしいですか?」
この生徒さんは30代、相談に上がった着物はくすみピンクの小紋だった。
結論から言えば、「あなたが今、この着物を着ても何らおかしくない」だ。

「あなたの年では派手すぎる/地味すぎる」という言い回し、これは完全に昭和の時代の感覚だ。
現在においては20代が茶色の紬を着ても、50代が袖の長いカラフルな着物を着ても、大抵は受け入れられる。(冠婚葬祭を除いてだが)否定されるどころか、「オシャレ!」と賞賛されることの方が多いだろう。

特に洋服標準の世の中に着物を馴染ませるためには、なるべく「ぱっと見着物と分からない」というスタンスが推奨される。無地に近い紺・グレー・ベージュ・茶などの着物をワンピース感覚で着れば、仰々しさが取り除かれ、スッキリ洗練されたイメージを作り出すことができる。
逆に歳を取れば取るほど洋服でも原色やはっきりした色目を避けてしまう傾向にあるが、着物は50を過ぎて地味な色を着ると、一気に「おばあさん感」が増してしまうことがあるので注意が必要だ。

思うに、昭和の時代まで日本の女性は若い時も歳を取ってからも着物を着る機会がたくさんあった。それゆえその年しかできないおしゃれをしなさい、ということだったのだろう。着物を着る機会を自分で作り出さなくてはいけない現代においては、何をどう着るかも自分次第。とても自由だ。

ただ、自由がゆえに「何をどうしたら良いか更によくわからない」という弊害もある。その弊害をスッと取り除くのが「気軽に相談できる着物に詳しい人」の存在であり、私は着物を着たい人のそれでありたいと思っています。

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